ゴールデンウイークともなれば、ちょっとどこかに遠出をしてみたい気分になるものだ。
しかも今年は、3年ぶりの規制なしのシーズンと言うことで、テレビでも旅行や娯楽についての情報をしきりに放送している。
我が家でも、旅行に・・・とも思ったが、無理をして、大混雑の中に飛び込むほどの勇気はなかった。
それでも、ふとした用事ができて、私一人で都会に行くことになった。
地方の都市なら、特に考えもしないが、都会ともなれば、ちょっとジャケットでも羽織って行くかと言う気持ちになる。
田舎もんに限って、そのように思ってしまうのかもしれないが、外は暑いので薄手のシャツだけでもいいかと思ったが、建物の中ともなると、寒く感じるかもと心配だった。
そこで、タンスにしまっておいた春物のジャケットを取り出すことに。
ところが、取り出した瞬間、プーンと漂ってくるキツい臭い。
そう、ナフタリンの臭いだ。
そして、その時、うん十年前の出来事を思い出してしまった。
あれは、確か、高3の最初の始業式の日だったか。
2年の時に同じクラスだった女の子にばったりと出会い、一緒に校門まで歩いていたのだが・・・。
その日の朝、タンスから取り出したばかりの制服を着ていたが、ナフタリンの臭いが気になって仕方なかった。
そのときに彼女に出くわして、「久しぶりだね」みたいに笑顔で話したが、、、
当然、彼女にもその臭いが伝わっていたに違いない。
彼女は、顔色ひとつ変えずに、にこにこして接してくれた。
私は、少し小さな声で、
「ご、ごめんね。」
と、ひとこと言うのが精一杯であった。
彼女は、「ううん!?」と否定するように、笑いながら答えてくれたのだ。
しかし、何もかも察しているかの如く・・・。
もうそんな心苦しい、恥ずかしい思いはしたくないので、臭いを落とす方法をひたすら調べていた。
私が一番に考えた方法は、取り敢えず、外気に触れさせて風を当たらせること。
そして、それでも臭いが消えないようなら、消臭力とかのスプレーを使うことだった。
ネットで見つけたページには、
①風通しの良いところに、2,3日吊しておくこと。
②急ぐようなら、スチームアイロンの蒸気だけ吹きかけると早く臭いがなくなる。
※直接、アイロンを当ててはならない(生地による)
そして、ここが重要なのだが、
③決して、消臭剤・芳香剤を使ってはいけない。
これは、臭いを消すのではなく、ごまかしているだけで、返って逆効果であると!!
読んでみて良かった。
危うく、スプレーを吹き付けるところであった。
今朝、風通しの良い場所に吊していたジャケットに鼻を近づけてみると、かすかに臭う程度になっていた。
もう一日、吊していたら、臭わなくなるのではないかと安心してきた。