夜の11時を回ると、さすがに眠気がさしてくる。
もう少しだけとパソコンをつついていたら、妻が
「先に寝るね。」
と言って、階段を昇っていく。
しばらくすると、わたしのスマホのベルが鳴り始める。
画面を見ると、妻の名前の表示が・・・
はやく寝たほうがいいよみたいな話か?と思って、面倒だが電話に出てみると
怯えたような震え声で、
「何か、居るぅ~」
と言ったまま、黙ってしまう。
わたしは、ピンときた。
おそらく、変な虫でも見つけたのだろうと。
どうせ大したもんじゃないだろと思いながら、2階の寝室前に行くと、端の方に身構えながら、隅の方を指さして言った。
「そこに、おる~~」
わたしは、書棚の上の箱を少し、おそるおそるずらせてみると、そこには、白っぽい色をした子供?のヤモリがいた。
大きさは、5センチ程度。
ビクッと軽く動いたが、次のわたしの行動を見計らっているのか、そのままじっとしている。
わたしは、一旦箱をゆっくりと元に位置に戻して、考える。
別に怖いわけではないが、さすがに素手で捕まえるには勇気がいった。
少し考えていたが、ここは手袋をはめて捕まえるのが最善策?と思った。
その間、妻は、じっとその箱あたりを見つめて動かない。
しっかりと見張っているように告げてから、1階に降りて、玄関先に置いていた作業用の手袋をはめて、また2階に戻る。
妻は、さっきの姿勢のまま、止まったまま。
どうやら、ヤモリに動きはなかった様子。
わたしは、もう一度箱をゆっくりと持ち上げると、さっきの位置にヤモリはじっとしている。
捕まえようと手を伸ばすと、素早く反応し、横に逃げる。
あっという間に、フロアに落ち、隅っこに隠れようとするも、わたしはすかさず、また手を伸ばす。
今度は、ヤモリは大胆にも、堂々とフロアを横切って反対側に逃げ始める。
ここで逃してしまうと、もう捕まえられないと思ったわたしは、倒れ込むようにして、ヤモリを片手で押さえ込むことに成功した。
柔らかい、鈍い感触が手袋を通した手に伝わってくる。
ここで怯んでしまっては、また手から抜け出してしまうので、注意深く、反対の手でつまみ上げた。
妻の方を振り返ると、超ビビッた顔をして、様子をうかがっている。
すぐ側に窓があったので、窓を開けて、外に放り出した。
しまった!写真を撮っておくんだったと思っても、もう遅かった。
と言うよりも、そんな余裕はなかったのだ。
妻は、このヤモリが極端に苦手らしい。
と言うよりも、ヤモリ恐怖症と言った方がいいのかも。
ヤモリを見つけると、必ずわたしに助けを求めてくるのであるが、これ、可愛いと思っている人もいるほど、気持ち悪いものでもないのに・・・。。
は虫類系は特に苦手のようで、その代わり、イモムシ系(アゲハの幼虫とか)は可愛いと思っているらしい。
ヤモリは縁起の良い生き物
ヤモリは益獣
ヤモリが縁起のいい生き物だといわれる理由には、ヤモリの食べる物や性格が関係しています。ヤモリが食べるのはクモやワラジムシ、ゴキブリ、シロアリなどの害虫です。どの虫も家の嫌われ者で、穏やかな暮らしを脅かすものばかり。ヤモリは昔から家の近くに棲み、家や住人にとって害のある虫を捕食してくれます。それが、ヤモリが守り神と呼ばれる由縁です。
また、ヤモリの性格は臆病で毒性もありません。人に危害を加えることがないため、益獣として扱われています。ヤモリは爬虫類の仲間なので見た目が苦手な人も多いですが、家にとってはむしろ歓迎すべき存在なのかもしれません。
と言うように、返って、良い生き物なのである。
漢字で書くと、「家守」「守宮」なのであって、そのことから考えても家を守ってくれる有り難い生き物なのだが。