笑顔な毎日123

     趣味の充実と生活の工夫について

黒のオーバーオールスカートの女性

昨日、映画館に行った。

どの席に座ろうかと迷っていると、すぐ後ろで、ひとりの女性が同じように席を捜している様子だった。

白のふわっとしたブラウスに黒のオーバーオールスカートで、細面の顔立ちのように見えたので、スラッとした綺麗っぽい女性だなと思った。

イメージ的には、こんな感じ。色違いで、ファスナーだけど。

 

「ぽい」と言うのは、つば広の帽子をかぶっていたのと、終始うつむき加減ではっきりとは顔は見えなかったからである。

彼女は席を見つけると言うよりも、自分の足下の方をちらちらと見て何やら気にしている様子だった。

そして、おへそのあたりを両手で触っては、首を傾げている。
よく見ると、ファスナーが2センチほどが引っかかった感じで閉まりきっていないのだ。
それを直そうとしているのであるが、びくともしないみたいであった。

 

わたしが空いている席を見つけて着席すると、その女性もわたしの左の席に座った。

おなかのあたりをチラ見すると、やはりファスナーは少し開いたままである。
わたしは、もうすぐ映画は始まり、会場は暗くなるので、もう誰からも見られることはなくなるから、気にしないでも大丈夫だよと心の中でつぶやいていた。

それでも、彼女は、本編前の幕間の新作紹介の間、どうも落ちつきがない。

 

そこで、わたしは自分でも驚く行動を取ってしまっていた。
まわりをちらっと見ながら、
「あの、失礼しますね。」
と言って、彼女のファスナーに手を伸ばした。

彼女は、
「えっ、えっ?」と、小声をあげながら、わたしの顔とおなかを交互に見ながら、尻込みしている様子。

 

これは、誰が観ても、痴漢行為としか言いようがない!

そう思いながら、でも、このままじゃ、彼女はファスナーが気になって映画に集中できないではないかと思い、強引にファスナーを引き上げたのだった。

すると、少し力は必要だったけど、きちんとファスナーは規定位置まで閉めることが出来た。

その様子を彼女は見ながら、戸惑いつつ、どう声を発したら良いのかと迷っている様子であった。

彼女は、たしかに驚いたような顔には見えたけど、怒っているようには見えなかった。
口を開き、言葉を発しようとした瞬間に、彼女の知り合いらしき男性がわたしたち二人のすぐ前に立ち、次のように言った。
「へえ、君たちは、そう言う関係だったんだ~!?」
と、にやにやしながら、じろじろと二人を交互に見つめている。

彼女は、
「いやいやいや。」と言って、両手を横に振って、否定していた。
わたしも、
「そ、そんなんではないです。」
と言う。

知り合いらしき人は、
「いや、怪しいな。」
とニタニタしながら、その場を去って行った。

 

そして、すぐに会場は真っ暗になって、映画の本編が始まったのである。
彼女は何事もなかったかのように映画を観ている。

わたしは、さっきの行為について少し考えた。
『彼女のためにファスナーを直してあげたつもりだったけど、迷惑だったかも知れないな。
会場はすぐに真っ暗になったから、誰にも気づかれることはないので、余計な事をしてしまったかな?』

とも思ったけれど、きっと映画が終わって会場を出て行くときに、気にしなくて済んで、彼女も安心してくれているだろうと自分勝手に考えながら映画を観ていたところで、目が覚めたのだった。

 

申し訳ない、今朝方の夢のお話である。

そんな状態だったので、何の映画を観ていたのか、まったく覚えてはいない。

それよりも、これは夢の中だからこそ出来たことであって、現実には、とてもそんな大胆な行動は取れないであろう。

そして、夢の中での彼女は、大人しくしていたが、、、
キャーと大声をあげて、それをきっかけに大騒ぎとなり、警察沙汰になってもひとつもおかしくはない!?

 

いや、夢の中の話で良かったわ!!

 

そして、不思議な事であるが、この出来事をきっかけに彼女と仲良くなったりして・・・とか、いわゆる下心?

それは、これっぽっちも思ってはなかったみたいである。夢の中のわたしは!

 

この夢にはどんな意味があるのかと考えたけれど、下心がなかったと言うことは、欲求不満から来る願望ではないと言うことかな?

そして、ひとつ思い出したことが・・・

先日、とあるイベントで東京に向かうとき、地元のローカル線内で、白のワンピースの若い女性が車内に立っていて、素敵だなと思って見つめていたら、スカートの裾あたりに5センチほどの糸の縺れが垂れていたのに気がついた。

 

彼女は、スカートの後ろ側なので気づく様子はまったくない。
わたしは、すぐ近くだったので、声をかけようかと悩んでいた。

おそらく、じい~っと見ていたわたししか気がつかないほどのものだとも思うし、
知人ならともかく、見ず知らずの他人からそんなことを言われても、怪訝な顔をされるだけ、または、不審者に思われるだけと思った。

でも、恥ずかしい思いをするのは彼女であって、一瞬不愉快な思いはするかも知れないけれど、彼女のためになるのではないかとも考る。

これから、デートで待ち合わせをしているとしたら、彼氏に笑われるのではないかと・・・。
でも、むしろ、それを話題に盛り上がる良い機会となって、一層仲良くなれるチャンスではないか・・・とも。

わたしが旅行用に小さなハサミをもっていたなら、気づかれないようにカットしてあげられるのに・・・
いや、それこそ、見つかれば逮捕案件だなとか、ひとしきり考えを膨らませ、暇な時間を潰すことができたのであった。

 

その女性を助けてあげたいと言う気持ちだけは確かだったのだけど・・・。
そう言うのもあって、そんな夢を見たのかも知れない。

昨日の夜、妻と、
「明日あたり映画でも観にいかない?」「そうだね。」
と話したのが、夢を見たそもそものきっかけだと思う。

 

しかし、この夢に出てきた女性が着ていた洋服は、とっても素敵だった。それだけは、はっきりと覚えているのである。

 

今日は、この後、「七人の秘書」を観に行く予定である。