我が家のリビングは、2部屋に別れていて、それぞれの壁に時計を掛けている。
こんな配置で、赤い矢印の線は、キッチンから時計を見る目線を表している。
青色の線は、私がノートパソコンをつつきながら、時計で正確な時刻を確認している目線である。
時計Aはアナログで、時計Bはデジタルであり電波時計である。
時計Bの方は、日付と曜日と何分何秒まで数値で表示されるので、正確な時間を見るためには、6メートルほど先にあるので、目を凝らして見ないと分かりにくかった。
Aのアナログ時計 Bの電波時計
そこで、AとBの時計を取り替えれば、すぐ目の前にある電波時計で正確な時刻を見ることができると考えた。
なんで今までこんな簡単なことに気が付かなかったのだろうと思いながら、さっそく取り替えることにした。
そして、2,3日経ってから、妻がキッチンから時計を見るのに、時間が見えにくいと言い始めたのである。
それまで気が付かなかった方が不思議なのだが、調理をしていてふと時間を確認しようと思ったら、いつもの時計と違うことに気が付いたみたいであった。
そう言われた時は、そのうち慣れるだろうと思って、その言葉は無視していた。
そして、本当に見えにくいのかと確認をしてみたのである。
もちろん、最初に取り替えるときにも見え方を確認をしたうえでの事だったが、妻にとっては、どのように見えにくいのかと注意深くキッチンから覗いてみた。
キッチンから覗いた写真。 少し拡大して。
写真では少し分かりにくいけれど、十分時間は確認できるではないか!!
やっぱり、いつもと変わったので慣れてないだけだ。そのうち慣れるに違いないと思っていた。
そして、また数日後、
「やっぱり、前の時計でないと、時間が分かりにくい!!」
と言う。
一週間以上経過したのに、まだ見えにくいと言うのである。
そこで、私は、あれこれと考えた。
時間は、はっきり何時何分と見えるのに、何が見えにくいのか・・・と。
そして、もしかして!?と気が付いたことがあった。
それは、時間が見えにくいのではなく、あと何分で何時何分か!
が分かりにくい!!と言うことだったのではないか??
例えば、調理をしていて、たった今この時間だったとする。
あと10分たったら、茹であがるんだけど、それは何時かなと・・・言う時、アナログ時計なら、針を10分動かせば、あ、9時47分かとなる。
・・・人によって、理解の仕方は違うかもしれないけれど、、、
5分ずつ動かすのかもしれないし、取り敢えず、長い針を10の位置まで動かしてみて、それから、3分戻せば、、、と考えるのかもしれない。
しかし、計算しているのではなく、自分なりの方法で、針を動かして時刻を推定するのだ。
ところが、デジタルの場合はと言うと、
足し算をするしかないのである。
これが、+10ならすぐに分かるが、この時間から、例えば30分後は?と言うと、9時から10時台になってしまい、9時66分だから、60を引いて、、、とまた別の計算が必要になってしまう。
これも、要するに慣れの問題だとは思うけれど、長い間アナログ時計で生活してきたと言う経験は、ちょっとした計算でさえ、こんがらがって、面倒になって考えにくくなってしまうのだろう。
現在の時刻を知るには、デジタルの方がすぐに分かるけれど、時計と言うのは、使う人によっては、その時刻の何分(何時間)後なのか、前なのかも重要な要素だったりするのである。
このことを理解したので、さっそく、もとあった場所に時計を入れ替えることにした。
妻がその事に気が付いたのは2,3日後だったのであるが、
「あっ、変えてくれたんだね。ありがとう。」
と言っていた。
まあ、礼には及びませんが、
「2人とも、アナログ人間ってことかなあ??」
と言う事で、話は落ち着いた。