先日、鴨川シーワールドに行った話を書いた。
その帰りの新幹線でのことである。
わたしは、15:30東京発の新幹線に、遅めの昼食として駅弁を買って乗り込んだ。
自分の席に座って暫くすると、遅れて乗り込んできたお客さんが、わたしと同じ列のA席(わたしはC席)に座っていた先客に対して、「その席・・・」と言っていた。
先客さんは、切符と座席番号を確認して、「あっ!」と言って、荷物をまとめ、ひとつ前の席に移動した。
わたしは、駅弁をテーブルの上に乗せていたので、ちょっと邪魔をした感じだったが、食べ始めてなくてよかったなと思ったものである。
さっきの人も、わたしと同様に慌てて乗車したので、ついうっかりとしてしまったのだろう。
つづいて、新横浜で乗り込んできたお客さんが、前の方からやってきて、数メートル先から、わたしの方を指さして歩いてきた。
そして、目の前で立ち止まり、さらにわたしの胸を指差してジロッと睨んだように見えた。(おい、そこ、俺の席だぞ!)とでも言わんばかりに。
わたしは、何度も確認したはずなんだけどなあ・・・と思いつつ、小声で「えっ?!」と言いながら笑顔を浮かべていた。
すると、その人は、手に持っていた切符と座席表を確認して、軽く手を振った後、わたしの後ろの座席に座ったようだった。
ねえ、もう、みんな。
ちゃんと確認しようよ!!
そんな座席間違いが、同じ列で頻繁に起きるかなあ・・・?
と思いながら、少しだけ余裕の笑顔を見せていたわたしであった。
そして、やっとお昼ご飯を食べながら、30年ほど前の新婚旅行での体験を思い出した。
フランスからスイスに向かうTGVに乗り込んだときだ。
ちょうど夏のバカンスの時期だったので、列車は大いに混んでいた。
人々の群れを掻き分けてやっと辿り着いたわたしたちの座席には、既に老夫婦が座っていた。
英語ならまだしも(そんな訳ないか)、フランス語かドイツ語か知らないけれど、まったく言葉が分からないで、少々パニックになってしまった。
やがて、車掌さんがやってきて、無事にわたしたちは座ることができたのであるが、さて、ことの顛末を覚えていないのである。座席を間違っていたのは、わたしたちだったのか、それとも老夫婦だったのか、無事座れたのは、どの座席だったのか・・・。
あの頃も、わりと慎重なわたしは、しっかりと確認をしていたので、わたしたちが正しかったと思うのであるが・・・。
その話を翌日になってから、妻に聞いてみた。顛末を知りたくて。
すると、妻は、
「えっ、そんなことあったあ!? 全然覚えがないんだけど・・・」
「お、覚えてないんかーーい!」
言葉の通じない、見知らぬ外国で、不安な思いをしていたのは、むしろ妻の方なのに、、、
何しろ、ジュースひとつ、物怖じして買えないような人だったので。
わたしは、なんとでもなると言う考えなので、「オレンジ ツー」
あるいは、「ディス」と言って、指で本数を示すなどで、対応していたのだけど。
ディスってる訳ではない。(巧い!!)
ちなみに、妻は、学生時代に、ゼミかなんかで、ロサンゼルスとハワイに行ったと少々自慢げに話してたのだが・・・。
わたしは、それが初めての外国旅行だった。
やっぱり、ディスってるか?